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ハトメ(種類、打ち方、間隔etc)についてまとめました

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ハトメ(種類、打ち方、間隔etc)についてまとめました
ハトメについてまとめました。金色のもの以外にもシルバーや歯付きのものなど、実にたくさんの種類があります。

※用途やメーカー、地域等によってパーツの名称や使用方法が異なります※
※本記事の内容はフジアートの幕製造においての用例であることを予めご了承ください※
 

目的

ハトメを打たないと破れやすくなります
ハトメをせずに紐を通すと右のように破れのもとになります

横断幕やタペストリーを設置する際にシートに紐を通して固定しますが、穴を開けただけだとそこが破れの元になります。
破れを防ぐために穴の周りを補強しよう、というのがハトメの役割です。
 

呼び方

鳩の目に見えるのでハトメなど諸説あり
紐を通すための穴が鳩の目に見えるから"ハトメ"など語源は諸説あり
 
鳩の目みたいに見えるので「ハトメ(鳩目)」、幕の破綻を防ぐための「ハドメ(歯止め)」、接合部を固く締める意味の動詞から「カシメ(かしめる)」、英語表記から「アイレット(Eyelet)」「グロメット(Grommet)」…などなど、様々な呼び方があるようです(どれも諸説あり)。誤用を避けるためにも事前の確認が大切です。

※「カシメ」は金属の打込みパーツのうち、穴を通す目的ではないものを指すことが多い(飾りやパーツの固定用)
 

素材

左から真鍮(金)、アルミ(シルバー)、プラスティック製(透明)
 
もっとも一般的な素材は真鍮製です。強度も十分なので、特にご指定がなければこちらを使用します。いわゆる「金色のハトメ」です(#25/28/30)。
黄銅という銅と亜鉛の合金で、5円玉や金管楽器と同じ素材です。
 
次によく使用するのがアルミ製です。「シルバーのハトメ」をご指定いただくと、こちらになります(#25/28)。
非常に綺麗な色をしていますが、素材が柔らかく取扱いが難しいのが難点です。
強く打ちすぎるとグニャリと曲がってしまいますので、強度が必要な場合には同じシルバーでも真鍮製のニッケルメッキタイプをオススメします。

変わり種ではプラスティック製のハトメ(#28)。無色透明のハトメなのでデザインの邪魔になりません。
車両幕を製作する場合に工事車両のボディにキズをつけたくないという理由でこちらをご指定いただく場合があります。ただし金属製ハトメに比べ衝撃に弱く割れやすいため、主に屋内(お店や車の中)での使用をオススメしています。折返し歯がついているため、生地に食い込みやすいのも特徴です。

こちらもおすすめ blog:工事用車両幕 いろいろ作れます

プラスチックハトメ透明のプラスチックハトメもあります

ほかにもステンレスハトメ(ただし硬くて打込みがやや困難)や黒くメッキしたハトメなどもありますのでご相談ください。
 

大きさ

ハトメ模式図断面の模式図

標準サイズは#25(ニジュウゴバン)です。
内径が9.5mmで一般的な紐や結束バンドであれば十分通せます。外径は19mmです。
1辺が5Mを超えるような大きな幕には少し大きめの#28(ニジュウハチバン)も使用します。
幕が大きくなるとハトメ部分が紐に引っ張られる力も強くなり、#25では破損する可能性があるためです。
 
小さいサイズは#300(内径5mm)を多く使用します。
腕章の安全ピンや紐を通す穴に使用しているため、社内では「腕章ハトメ」と呼んでいます。

標準で取扱っているハトメ(一部)
当社でもっとも標準的なハトメは「真鍮・#25」

比較表

ここでハトメの大きさや色を一覧にまとめてみます。 
番手が二桁のハトメは数字が大きい程大きくなります(25<28<30<40)が、小さなハトメは三桁番手になります(200,300番)。

 
種類 素材 メッキ 内径 外径 高さ 特記
#25 真鍮   9.5 19 7 最も一般的  自動打ち可
#28 真鍮   12 23 8 自動打ち可 
#28 真鍮    12 23    足長タイプ
#30 真鍮   15 28 9  
#32 真鍮   18 33.8 10  
#25 真鍮 ニッケル 9.5 18.9 7 シルバー シルバーだがやや硬め 
#25 アルミ   9.6 18.9 7 シルバー シルバーといえば 自動打ち可
#28 アルミ   12 23.4 7.8 シルバー 自動打ち可 
#25 ステンレス   9.6 18.9 7 シルバー 非常に硬く打ちにくい 
#28 プラスティック   12 23.8 9.5 透明 透明ハトメ 
#300丸 ニッケル   5 9 5 シルバー 腕章用 
 
 ※フジアート標準在庫品 ※2メーカーにより品番や大きさが異なります
 
手芸や模型用途にもっと小さいサイズのものや、#30以上の大きなサイズのものもありますのでご相談ください。
 

ハトメの打ち方

①自動打機の場合

元木工業の全自動ハトメ打機を使用しています。
ハトメを打ちたい位置にシートを持っていって、足や手元にあるボタンを押すと”ガシャン”とハトメが打てます。
穴あけ+ハトメ打ちを同時に行なえるため、幕加工には欠かせない機材です。1穴1秒足らず。
ハトメ自動打ち機ハトメの自動打ち機です 画像の機材は#28専用
 

②手打ちの場合

特殊なハトメを打つ時や、幕の外周以外にハトメを打つ時、ハトメ位置が非常に厳密な場合(単管が特別なピッチで並んでいる現場など)は手作業でハトメを打ちます。バナースタンドやインタビューバックに使用する幕のようにシワが一切許されない場合も手打ちです。
まず穴あけポンチで穴を空けて、そこに座金を置いた台座をセット。
その後ハンドプレスか金槌で打ち込んで固定します。


ハトメと座金の間に幕を入れて打ちます
間に幕を入れて打ち込みます

手打ち用のセット
右上は穴をあけるためのポンチ(パンチ)
大きさや種類別に専用品となる

ハトメの個数

よくお問合せいただくのが、「ハトメをどれくらい打ったら良いだろうか」という点です。
フジアートでは幕の隅に加えておよそ300mm毎(300ミリピッチ)のハトメ打ちをおすすめしています。例えば幅1800mmの幕ならば端も合わせて7個が標準です。

 
タテヨコが同じ長さの場合には同じ間隔でハトメを打つ場合が多いので、下図のようになります。

取付先(単管足場やフェンスの柱間隔)が予め分かっている場合にはその間隔に合わせるのが有効ですが、状況が不明な場合には300mmごとの他、500mmや1000mm間隔でのご指定が多いようです。

ハトメ補強

ハトメ補強
必要に応じて裏側に補強を施します

ハトメだけでも穴の補強には十分な強度がありますが、下記の場合にはハトメ補強を入れることをおすすめしています。

 ・設置場所が高所や海沿いなど、強風による幕のバタつきが予測される場合
 ・ハトメの間隔が1mを超える場合

バタつきが大きいと幕にシワがついたり、最悪の場合ハトメ穴から破れが発生する場合があります。これを防ぐため、ハトメを打つ部分に裏側から同じ生地で作った補強材を貼ります。
補強部分は幕厚が2倍になり、堅牢度が一層増します。


最後に 

ハトメは紐や結束ロープにより設置場所にしっかりと結びつけることで最大の効果を発揮します。
晴天時はハトメから出した紐でしっかりと固定し、強風・台風など悪天候時には幕を取り込んでいただくようお願いします。

※用途やメーカー、地域等によってパーツの名称や使用方法が異なります※
※本記事の内容はフジアートの幕製造においての用例であることを予めご了承ください※
※当社ではハトメ・打ち機の販売や斡旋は行っておりません メーカーに直接お問合せください※

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