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フロアサインを考える(素材編)

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フロアサイン
コロナウイルス感染症の拡大で、レジ前での適度な距離を保った整列のために、自作の矢印や市販のステッカーを貼っているお店や商業施設が一気に増えました。我々印刷業者はコロナ拡大前から日常的に床に貼るシート(フロアサイン・フロアステッカー)を印刷・施工してきましたが、まさかこんなに急にフロアサインの需要が拡大するとは思っていませんでした。

今回はそんなフロアサインについて、その種類や我々プロの作り方を解説したいと思います。ご自身やお客様へご提案される際の素材選びの参考にしてください。

※以下、記事内写真には弊社製作分でないものを含みます 写真は特記ない限り写真ACから

そもそも自前パウチでは駄目なのか

事務所やコンビニで印刷した紙をホットラミネートでパウチして床に貼っているお店をよく見かけますが、ところによっては捲れ上がったり、お客様の靴に貼り付いてどこかに行ってしまったりしています… 仮設表示は贅沢にお金をかけられる部分ではありませんので一概に自作物が良くない訳ではありませんが(逆にとても綺麗な自作フロアサインもあります)、普段から仕事でフロアサインを作っている我々としては気になるところがいくつかあります。

・美観(剥がれ・汚れやすい→ブランド価値の毀損)
・安全性(お客様が転倒する可能性)
・サイズ(大きなものは自作できない)

綺麗なお店の床の剥がれかけのフロアサインは「う~ん…」という気分になりますし、防滑性を考えていないパウチの上は非常に滑りやすく、誤ってお客様や従業員の方が怪我をする恐れもあります。

印刷業者の作り方

我々印刷業者はフロアサインを「シート」と「ラミネート」を組み合わせて作ります。糊は裏面全体についており、表面も防滑性を高めた素材でできています。

フロアサインの断面イメージ
図:基本的なフロアサインの断面イメージ

シート

印刷するための糊付きシートです。床の色や模様が透けないように、糊に黒やグレーの色がついたものを使うことが多いです。また使用場所や使用期間にあわせた糊の強度選択も大切になります。

ラミネート

看板用のUVカットラミネートではなく、床専用の防滑性の高いものを使用します。フロアサインの完成品が若干割高なのはこの床用ラミネートが割といいお値段することが多いためです。
なお印刷会社が使うラミネートは普通の企業にあるホットラミネートではなく、フチが残らないコールドラミネートです。

ラミネートの目的は主に3つです。

見栄え:艶感のコントロール(グロス/エンボス)
防 汚:汚れを防いだり、汚れても拭き取りやすくする
安全面:防滑性を付与し雨の日でも滑らないようにする

ただ最近はフロアピールという”防滑性のあるシート”が開発されたため、必ずしもラミネートを施す必要がなくなりました。弊社では至急のフロアサインや素人施工用の素材として活用しています。

詳しくはこちら blog:販促EXPO夏(ウイルス対策グッズゾーン)に出展しました(#フロアピール)

床素材別 おすすめフロア素材

ここからは床の材質や場所に応じておすすめの組合せをご紹介します。考えられうるパターンを書き出しましたが「この床面にはどういうのがいいの?」というのがあればお問合せください。

店舗内の平滑な床(Pタイル等)

Pタイルのフロアサイン

レジ前の「こちらでお待ちください」のような表示やパチンコ店の床貼りなどがこれにあたります。
→強粘着糊タイプはもちろん、再剥離糊タイプや貼りやすい吸着タイプもおすすめです

やや目地のある平滑な床(大理石タイル、フローリング等)

レンガやアスファルトほどの凹凸はないものの、目地など僅かな凹凸がある場所
→吸着タイプは剥がれる可能性がありますので、強粘着タイプか再剥離糊タイプがおすすめです

毛足の短いカーペット(タイルカーペット等)

フロアピール
フロアピール(写真弊社)

展示会の会場やカーペット敷きの店舗の床などはこちら
→フロアピール もしくは カーペット用塩ビ(再剥離糊)
 ※ 毛足の長いカーペットは剥がれてしまうのでNG

凹凸のある床(石畳・レンガ敷・アスファルト等)

石畳のフロアサイン

屋内外問わず凹凸の大きな床面に追従するには専用の素材が必要です
→凹凸面にも貼れる金属層入タイプがおすすめです 業者施工となります

アルミ層入フロアサイン凹凸のある路面にはアルミ層入の素材を使います

空港・駅のホームなど人通りが多い路面(アスファルト等)

駅ホームのフロアサイン

人の往来が頻繁な場所では通常のフロアサインでは劣化が加速的に進む場合があります
→凹凸追従型の金属層入またはゴム層入タイプがおすすめです(3M™ NEO CAPS™) 業者施工

クルマが通る路面(アスファルト・コンクリート等)

CPGⅢイメージ3M CPGⅢ案内ページより

車両の据え切り(サイン上でタイヤを捻る動き)に耐えられる素材を選択する必要があります
→据え切り対応型のアルミ層入タイプがおすすめです(3M™ CPGⅢ™) 業者施工

そもそも貼ったらだめな床(イベントスペースなど)

規約によって「床にシートを貼るのはNG」という場所もあります
→貼らずに置くだけ、ゴムマットに印刷シートを溶着した「ラバーマット」がおすすめです

フロアサインの寿命

人に踏まれるフロアサインは基本的に短命でおよそ半年~1年程度が一般的です(駅ホーム用などは想定使用期間2年程度のものもあります)。
これを超えて貼っていると糊の再剥離性が失われたり表面の汚れが目立ってきたりするので、所定の使用期間を守ってご使用ください。再剥離系は基本的には「半年くらいで汚れてきたら取り替える」が原則です。

フロアサインの製作にあたって確認したいこと

素材選びのポイントは主に次の5点です。

1. 上を通るのは「人」or「クルマ」
2. 貼り付け先は「平滑」or「凹凸のある床面」
3. 使用場所は「屋内」or「屋外」
4. 糊の種類は「再剥離性でないとダメ」or「強粘着性(非再剥離)でもOK」
5. 施工するのは「お客様(できないものもあります)」or「施工業者」

これらをお伝えいただければ最適な素材でフロアサインをご提案させていただきます。

すぐにフロアサインが必要な方は

弊社オンラインショップ「peta」では再剥離性素材のフロアピールを使ったフロアサインを展開中です。

petaフロアサインページ
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