先日ご紹介したUVプリンタを使ったキャンバスへのダイレクト印刷。
blog:大型キャンバスへのダイレクト印刷
この中で「油、アクリルどちらでも加筆可能」とお伝えしておりましたが、今回アクリル絵の具による加飾を実際にやってみました。今回は画材屋でメディウムも購入してきましたので合わせてご紹介します。
今回使うのはリキテックス社(Liquitex)のアクリル絵の具2種類とメディウム2種類です。
・リキテックス チタニウムホワイト(白):不透明
・リキテックス パーマネント アリザリン クリムソン ヒュー(赤):透明
・グロスポリマーメディウム(ピンクのラベル)
・ジェルメディウム(水色のラベル)
アクリル絵の具には透明・不透明・半透明の3種類がありますが、今回は透明と不透明を使用。水でさらっと伸びて、乾くと耐水性になるのがアクリル絵の具の特徴です。
メディウムはアクリル絵の具の表現方法を広げるための媒体です(medium→中間体、媒体)。絵の具と混ぜて凹凸を出したり、絵を描いたあとに塗って艶っぽくしたり(グロス)、逆に落ち着かせたり(マット)します。ジェッソやモデリング・ペーストも同系の媒体用の画材です。
今回はお世話になっているチトセヤ画材店東店様のアドバイスで、そのうち2種類をチョイスしました。
→九産大前駅の頼れる画材屋さん・チトセヤ画材店様はこちら
渋谷で撮られたと思われる街並みのスナップです。F0号の張りキャンバス(140*180mm)にUVプリンタで直接印刷しています。
キャンバスは油彩・アクリル両用のエマルジョン(表面処理剤)を施した絵画用高級キャンバスです。
これだけでも綺麗ですが、今回はあえて加飾してみます。
ちなみにブログの筆者は美術専攻ではないので、この先「この人絵心ないぞ」というのはお許しください…。
水彩よりたっぷり目に絵の具を使うのがコツと聞きましたので、絵の具の凹凸感を活かすように筆を動かします。メディウムを使用しなくてもある程度は雲のモコモコ感は出せそうです。
アリザリン(赤)は申し訳程度に端に乗せてみました。もうちょっと違うところで試せば良かったと後悔。。。
別名「ツヤ出しメディウム」「保護ニス」。絵に塗ることで、少し光沢感が出ます。ボトルに入っている状態では乳白色のとろっとした液体ですが、空気に触れて固まると無色透明に変わります。
塗っている感じが伝わり難いかもしれませんが、左の建物の上に塗ってつや出しを試みます。
別名「つや出し盛り上げメディウム」。ジェルとは書いてありますが、写真のとおり結構この状態でも粘度は硬めの木工ボンドくらいあります。コラージュでは接着剤として使うらしいのも納得です。こちらも乾くと無色透明に変化します。
こんな感じで絵は無視してジェルメディウムを乗せます。「伸ばす」より「乗せる」方が感覚としては近いです。
固まった時に筆跡が分かるようにメディウムを乗せました。この状態で乾燥するのを待ちます。夏場なら1時間もあればおおよそ乾いているようですが、念のため1,2日置いてみました。
右の建物には盛り上げメディウムを塗りました。こちらは近くで見ると塗ったとおりに凹凸が出来ています。盛り上げメディウムをつけた筆で毛並みを再現したりすると面白そうです。
いずれの部分もキャンバスの裏から見ても、裏抜けはありませんでした。
このようにUVダイレクト印刷を行ったキャンバスにはアクリルでの加飾が可能です。美術の知識やセンスをお持ちの方が取り組めば、ここでご紹介した手法以外にも様々な表現が可能だと思います。
インクのチューブから出したままの状態、もしくは専用のメディウムで絵の具を伸ばして加筆することをおすすめします(2018.10.26追記)。
フジアートではF0号からF100号まで、幅広いサイズのキャンバスロール出力/張りキャンバスへの出力を承っております。ご興味のある方は過去の作例も参考にされながら、是非一度ご相談ください。お問合せ、お待ちしております!
作例(M40号へのダイレクト出力)
blog:大型キャンバスへのダイレクト印刷
この中で「油、アクリルどちらでも加筆可能」とお伝えしておりましたが、今回アクリル絵の具による加飾を実際にやってみました。今回は画材屋でメディウムも購入してきましたので合わせてご紹介します。
使用する画材
どれも画材屋さんで数百円で手に入ります
今回使うのはリキテックス社(Liquitex)のアクリル絵の具2種類とメディウム2種類です。
・リキテックス チタニウムホワイト(白):不透明
・リキテックス パーマネント アリザリン クリムソン ヒュー(赤):透明
・グロスポリマーメディウム(ピンクのラベル)
・ジェルメディウム(水色のラベル)
アクリル絵の具には透明・不透明・半透明の3種類がありますが、今回は透明と不透明を使用。水でさらっと伸びて、乾くと耐水性になるのがアクリル絵の具の特徴です。
メディウムはアクリル絵の具の表現方法を広げるための媒体です(medium→中間体、媒体)。絵の具と混ぜて凹凸を出したり、絵を描いたあとに塗って艶っぽくしたり(グロス)、逆に落ち着かせたり(マット)します。ジェッソやモデリング・ペーストも同系の媒体用の画材です。
今回はお世話になっているチトセヤ画材店東店様のアドバイスで、そのうち2種類をチョイスしました。
→九産大前駅の頼れる画材屋さん・チトセヤ画材店様はこちら
加飾前のプリントしただけの状態がこちら
stock snapのフリー素材を使用 CC0(Creative Commons zero)
渋谷で撮られたと思われる街並みのスナップです。F0号の張りキャンバス(140*180mm)にUVプリンタで直接印刷しています。
キャンバスは油彩・アクリル両用のエマルジョン(表面処理剤)を施した絵画用高級キャンバスです。
これだけでも綺麗ですが、今回はあえて加飾してみます。
ちなみにブログの筆者は美術専攻ではないので、この先「この人絵心ないぞ」というのはお許しください…。
実験1:アクリル絵の具で加飾
絵の具に少量の水をつけて絵の具を伸ばします。小学校の頃使った水彩絵の具と変わらない使用感ですが、筆に絵の具が残ると取れなくなるのでこまめに水で洗います。水彩よりたっぷり目に絵の具を使うのがコツと聞きましたので、絵の具の凹凸感を活かすように筆を動かします。メディウムを使用しなくてもある程度は雲のモコモコ感は出せそうです。
アリザリン(赤)は申し訳程度に端に乗せてみました。もうちょっと違うところで試せば良かったと後悔。。。
実験2:グロスポリマーメディウムで艶出し
別名「ツヤ出しメディウム」「保護ニス」。絵に塗ることで、少し光沢感が出ます。ボトルに入っている状態では乳白色のとろっとした液体ですが、空気に触れて固まると無色透明に変わります。
かなり伸びるので凹凸は出ません
塗っている感じが伝わり難いかもしれませんが、左の建物の上に塗ってつや出しを試みます。
実験3:ジェルメディウムで艶出し+盛り上げ
別名「つや出し盛り上げメディウム」。ジェルとは書いてありますが、写真のとおり結構この状態でも粘度は硬めの木工ボンドくらいあります。コラージュでは接着剤として使うらしいのも納得です。こちらも乾くと無色透明に変化します。
こんな感じで絵は無視してジェルメディウムを乗せます。「伸ばす」より「乗せる」方が感覚としては近いです。
固まった時に筆跡が分かるようにメディウムを乗せました。この状態で乾燥するのを待ちます。夏場なら1時間もあればおおよそ乾いているようですが、念のため1,2日置いてみました。
結果:アクリル絵の具もメディウムもUVプリントの上で使用可能
まず絵の具で描いた雲に寄ってみます。右の雲はアクリル絵の具そのままで描いたもの、左はグロスポリマーメディウムを混ぜた絵の具で描いたものです。左の方がより凹凸感が出ているのがお分かりになるでしょうか。これがメディウムの作用です。メディウムを混ぜると立体的な描画も可能
次につや出しメディウムを塗った左の建物を見てみます。凹凸はありませんが、キラキラと艶が出ているのが分かります。触ってみてもしっとりとした感触になっています。絵の具の上に更に透明な層が乗ったので、印刷面を保護する力も加わっています。つや出しメディウムの乾燥後。表面に光沢感が出ている。
右の建物には盛り上げメディウムを塗りました。こちらは近くで見ると塗ったとおりに凹凸が出来ています。盛り上げメディウムをつけた筆で毛並みを再現したりすると面白そうです。
赤十字の右下あたりが分かりやすい
いずれの部分もキャンバスの裏から見ても、裏抜けはありませんでした。
このようにUVダイレクト印刷を行ったキャンバスにはアクリルでの加飾が可能です。美術の知識やセンスをお持ちの方が取り組めば、ここでご紹介した手法以外にも様々な表現が可能だと思います。
加水のしすぎに注意!
アクリル絵の具に水を加えすぎると、UVインク印刷面がアクリルを弾いてしまうようです。インクのチューブから出したままの状態、もしくは専用のメディウムで絵の具を伸ばして加筆することをおすすめします(2018.10.26追記)。
最後に
今回の実験は弊社環境下での成功例のご紹介であり、使用する画材や環境によって画材の食いつき等が異なる場合があります。また画材やインクは有形であるため、永久的な保証をするものではないことを予めのでご了承ください。フジアートではF0号からF100号まで、幅広いサイズのキャンバスロール出力/張りキャンバスへの出力を承っております。ご興味のある方は過去の作例も参考にされながら、是非一度ご相談ください。お問合せ、お待ちしております!
作例(M40号へのダイレクト出力)