
今回はメッシュターポリンに関する記事をお届けします。
ターポリンに関する記事はこちら。
最近ではマンションの外壁に結ばれている「好評分譲中」「モデルルーム公開中」などの幕もメッシュターポリン製が多くなっています。
そのほか学校に掲示されている「祝全国大会出場」のような懸垂幕でも採用していただく機会が増えました。
また、光が透過するため足場内の作業員の安全性を確保しやすいというのも大きな利点のひとつです。
上から#1034,#1004,#2054
それではメッシュターポリンを採用した場合のデメリットは何かというと「絵柄が見えづらくなること」です。網目が大きくなるほど絵柄が透けやすくなってしまいます。
また薄いメッシュターポリンは糸が細いので、上の写真のように絵柄が薄くなる傾向にあります。工事の詳細説明など細かい文字は避けたほうが無難です。
※厚さ、重さ、伸び率データはすべて平岡織染株式会社のカタログ値から引用(2016.5月版)
※参考重量は㎡あたりのグラム数から換算した値(小数点以下切り捨て)
縫込み40mmを勘案しているが、インク・縫込みロープ・ハトメ・付属紐等の重量は含まない
一方、平面部分が減るためハトメの食いつきが悪くなります。当社ではこれを補うため平テープを巻込みながら縫製していきます。
ちなみに幕を風に強くする方法としては
①織り込むロープを太く、ハトメを大きくする
②素材を厚手のターポリンに変更する(素材自体の強度を上げる)
③素材をメッシュに変更する(幕全体で風を受け止める)
④スリットで風を抜く(風の逃げ道を作る)
⑤ペケットで幕を足場などの取り付け先に密着させる(バタつきを抑える)
などが考えられます。実際にはお客様と相談しながら①~⑤を組み合わせて対策します。④や⑤に関しては別記事で詳しくご説明します。
白色の平テープを織り込んでハトメの食いつきを補います
条件を満たしたメッシュターポリンには「防炎認定」のシールを貼付(縫付)することが可能ですのでお申し出ください(オプション)。
・車両幕
・メッシュ腕章(圧迫感が軽減します)
・単管標識(高所や車道近くに) など
ターポリンに関する記事はこちら。
メッシュターポリンとは
メッシュターポリンはターポリンシートに無数の穴が開いたシートです。主に屋外向けで風の影響を受けやすい現場(架橋工事や高所作業等)で建築養生幕として広く使用されています。最近ではマンションの外壁に結ばれている「好評分譲中」「モデルルーム公開中」などの幕もメッシュターポリン製が多くなっています。
そのほか学校に掲示されている「祝全国大会出場」のような懸垂幕でも採用していただく機会が増えました。
メッシュターポリンのメリット
メッシュターポリンは何といっても「風を逃がすことができる」のが最大の特徴です。通常のターポリンに比べて6-20%程度風の通り抜けがよくなります。また、光が透過するため足場内の作業員の安全性を確保しやすいというのも大きな利点のひとつです。
品番 | 充実率 | 基本風力係数 | 風圧抵抗(kg/㎡) | |||
風速10m/s | 風速20m/s | 風速30m/s | 風速40m/s | |||
#1034 | 0.900 | 1.87 | 11.7 | 46.8 | 105.2 | 187.0 |
#1004 | 0.700 | 1.56 | 9.8 | 39.0 | 87.8 | 156.0 |
#2054 | 0.710 | 1.58 | 9.9 | 39.5 | 88.9 | 158.0 |
ターポリン | 1.000 | 2.00 | 12.5 | 50.0 | 112.5 | 200.0 |
※風圧抵抗データは外気温15℃気圧1013hpaの条件で、それぞれの風速の風を正面に受けた場合の計算値
データはすべて平岡織染株式会社のカタログ値から引用(2016.5月版)
※充実率はメッシュの占める実面積の割合を示すもの 充実率=網の実面積/網の外郭面積
つまり充実率が1に近いほど目が詰まっており、ターポリンに近い
メッシュターポリンのデメリット

また薄いメッシュターポリンは糸が細いので、上の写真のように絵柄が薄くなる傾向にあります。工事の詳細説明など細かい文字は避けたほうが無難です。
メッシュターポリンの種類
当社で扱っているものを中心に写真付きでご紹介します。もっと目の大きいメッシュ生地もあります。リクエスト | おすすめ | 写真 | 注 |
風の抵抗を減らしたい | 防炎1類メッシュ(#1004) | ![]() |
標準的なメッシュターポリンです |
絵柄もきちんと見せたい | 防炎1類メッシュ(#1034) | ![]() |
#1004に比べて目が詰まるがやや重くなる |
軽い素材&メッシュ生地で作りたい | 防炎2類メッシュ(#2054) | ![]() |
目が細かく軽量 防炎2類 |
両面印刷のメッシュがいい | 遮光メッシュ(1034FD) | ![]() |
網目は1択 これ以外はすべて片面印刷 |
幅継ぎを少なくしたい | 広幅メッシュ | ![]() |
網目は1択 最大3200mm幅まで繋がずに済む |
項目 | (参考) 防炎2類ターポリン |
#1004 防炎1類メッシュ |
#1034 防炎1類メッシュ |
#2054 防炎2類メッシュ |
|
---|---|---|---|---|---|
厚さ(mm) | 0.33 | 標準 (防2よりやや厚い) |
中厚 | 薄い | |
重さ(g/㎡) | 350 | 455 | 470 | 130 | |
伸び (%) |
タテ | 34 | 50 | 43 | 30 |
ヨコ | 40 | 60 | 50 | 36 | |
0.9×1.8M 参考重量(g) |
644 | 838 | 865 | 239 | |
1.8×3.6M 参考重量(g) |
2,421 | 3,147 | 3,251 | 899 | |
5.4×5.4M 参考重量(g) |
10,510 | 13,663 | 14,114 | 3,903 |
※厚さ、重さ、伸び率データはすべて平岡織染株式会社のカタログ値から引用(2016.5月版)
※参考重量は㎡あたりのグラム数から換算した値(小数点以下切り捨て)
縫込み40mmを勘案しているが、インク・縫込みロープ・ハトメ・付属紐等の重量は含まない
気になる強度は?
メッシュターポリンは引裂強度の値ではターポリンを上回り、風圧には強い性質があります。一方、平面部分が減るためハトメの食いつきが悪くなります。当社ではこれを補うため平テープを巻込みながら縫製していきます。
ちなみに幕を風に強くする方法としては
①織り込むロープを太く、ハトメを大きくする
②素材を厚手のターポリンに変更する(素材自体の強度を上げる)
③素材をメッシュに変更する(幕全体で風を受け止める)
④スリットで風を抜く(風の逃げ道を作る)
⑤ペケットで幕を足場などの取り付け先に密着させる(バタつきを抑える)
などが考えられます。実際にはお客様と相談しながら①~⑤を組み合わせて対策します。④や⑤に関しては別記事で詳しくご説明します。

防炎性
「ターポリンとは」の記事でも触れましたが、“防炎性”は実際は「燃えにくい」という性質を表す用語です。火が当たると燃えますが、火源を取り去ると自己消火性によりそれ以上燃え広がらないという意味です。条件を満たしたメッシュターポリンには「防炎認定」のシールを貼付(縫付)することが可能ですのでお申し出ください(オプション)。
耐久性
風雨や日光の当たり具合によって前後しますが、耐候性は3-5年程度です。ターポリンと大きな差はありません。メッシュターポリンでできること
・横断幕、懸垂幕(高所や歩道橋の欄干、学校・商業施設の壁面など)・車両幕
・メッシュ腕章(圧迫感が軽減します)
・単管標識(高所や車道近くに) など