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ラテックス・溶剤・UVインクの違いって?[第3回:UV編]

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UV(紫外線)で固める印刷のご紹介です
第一回から時間が空いてしまいましたが、今回はUVインク(UV印刷)について解説します。

※主にUVインクジェットについて述べますので、UVオフセットでは異なる部分があるかも知れません

過去のシリーズ記事はこちら

第一回:ラテックス・溶剤・UVインクの違いって?[第一回:ラテックス編]
第二回:ラテックス・溶剤・UVインクの違いって?[第二回:溶剤編]

印刷の仕組み

UVインクはインク液中に含まれるモノマー成分が機材のUV光(紫外線;Ultraviolet)を浴びることで重合し、固体化することでインクが定着します。溶剤インクがメディア表面を侵していたのに対し、UV印刷はいわば印刷対象物(ターポリンや塩ビ、板等)の上でインクが固まっている状態で、これを「硬化」といいます。
UV印刷の様子
キャンバスへの印刷の様子 緑色の光がUV光

UVインクの特徴

厚みのあるものへの印刷

最大の特徴は板材(スチレンボードや木材)やスマホカバー、張りキャンバス、ゴルフボールなど厚みのあるものへ印刷できることです。弊社では45mmまでのものに対応しています。メーカーによっては200mm対応機種を発売しているところもあります(Roland VersaUV LEF2-300D)。

速乾性

インクがUV光を浴びた瞬間に固まるため、Latexと同じくすぐに裁断や縫製等の後加工に回すことができます。従来溶剤機で印刷していた街灯フラッグなどの両面印刷物は乾燥待ちの時間が不要になり、よりスピーディーにお届けできるようになりました。

白・クリア・プライマー

これもメーカーによりますが、ホワイト/クリア/プライマーインクなど特殊なインクを搭載できる機種が多いのも特徴です。

ホワイト:溶剤機の白インクより濃度が濃く、ベタ塗りなども得意な場合が多い 積層印刷のベースとすることも
クリア(ニス):印刷物の最上位層に塗布することで印刷面の保護や艶出し等の調整を行う 積層やレンチキュラー、後述の立体印刷が可能に
プライマー:金属やガラスなどカラーインクだけだと密着性が低い素材に使う定着促進材

このうち弊社のUV機にはホワイトインクを搭載しています。

立体印刷

ホワイトやクリアインクが厚盛できることを応用した特殊な印刷で、触るとデコボコした印刷物を作る方法です。絵画のタッチの再現や、革や木目を擬似的に再現する目的で使います。
作り方は先にホワイトやクリアインクを用いて凹凸層を印刷し、最終層をカラーインクで印刷します。データ変換や積層具合にはオペレータの技術が要求されるため、展示会などUV機の実力を披露する場面では各社が競うように立体印刷物を製作・展示しています。

弊社の立体印刷サンプル
弊社の立体印刷サンプル

注意したい点

インクの匂い・有害性

未硬化のインクは独特の匂いがあります。最近は技術革新でかなり減りましたが、UV印刷物は鼻に近づけるとわずかに残香を感じる場合があります。
また未硬化の状態では有害性があるため、子どもが口に含む可能性のある玩具・食器周りにはUVプリントを避けることが通例です。また厚い生地も深部のインクが完全硬化しない場合があるため、弊社ではUV印刷は行いません。

印刷不適材料

比較的何にでも印刷できるUV印刷ですが、以下のような素材は印刷が難しい場合があります

印刷不適…光を反射する鏡や鏡面加工品、ツルツルしている素材(PEやゴム)、凹凸や反りの大きいもの

インク割れ

前述のとおり印刷対象物の表面でインクが固まっている状態のため、折れや素材の伸縮には弱い傾向があります。

UV印刷の折り加工
濃い色で印刷した部分を無理矢理曲げるとこのようにインクが割れて素材の地が露出する場合があります
折り部分はデザインを避けるなどレイアウト上の配慮が必要です

Latex・溶剤・UVの比較

一連の特集で取り上げてきた3つの印刷方法について、以下の表にまとめます。

項目 Latex 溶剤 UV
発色
(やや眠い色も)

(派手な色も得意)
小文字印刷
屋外耐候性
ラミなし
(一般ターポリン)
3-4年 4-5年 2-3年
ラミあり
(長期用塩ビラミ)
5年 5年 ラミネート不適
耐屈性
印刷時間
後加工性
立体物への印刷 × ×
マシン単価 Low Mid High
インク匂
(ほぼ無臭)
弊社最大機材幅 3200mm 2632mm 2500mm

このようにインクや印刷機によって向き・不向きがあることがお分かりいただけたと思います。
弊社では基本的にこの3種類に手書き・シルクスクリーン印刷をあわせた主に5種類の印刷方法を使用し、用途や目的にあわせた最適な商品・印刷方法をご提案しています。
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