当社は独自の「サステナビリティ宣言2021」に基づき、環境負荷が小さい販促・広告物づくりを目指しています。
今回は当社の製作環境の中でも最も重要なプリンタとインクの環境性能についてご紹介します。
印刷会社と環境性
我々は「機材」「原料」「生産活動」の3つの面からサステナビリティに貢献したいと考えています。それぞれ重要なトピックですが、今回はこのうち「機材・インク」について詳しくご紹介したいと思います(原料や生産活動については別の記事でご紹介します)。
機材・インク(今回の話題)
生産の中心となるプリンタやそのインクの環境適合性は重要なポイントです。
長らく屋外看板出力の中心であった旧式の溶剤プリンタ・溶剤インクは発色や耐候性の面では優秀でしたが、強い溶剤臭がお客様やオペレータ(プリンタの操作スタッフ)を悩ませていました。
関連記事 当社blog:ラテックス・溶剤・UVインクの違いって?[第2回:溶剤編]
近年では匂いが極めて少なく、かつ環境にも優しいインクやプリンタが各メーカーから発売され、当社を含めインクジェット業界での更新・導入が進んでいます。次の章に当社保有のプリンタの状況についてまとめました。
原料
ターポリン・塩ビフィルム・紙類などのプリント素材が環境規制に対応しているか、リサイクルしやすいものか、CO2排出量や廃棄コストが大きくないかなどは近年ますます注目されているポイントです。弊社ではRecoボードや防炎ノンターポリン、NOALXなど、非塩ビ素材やリサイクルしやすい素材で作る商品をおすすめしています。
生産活動
お客様には見えない部分ですが、生産にあたって効率的な割り付けで材料を有効に使い切ることや、廃棄物の適正な分別処理・リサイクルなどを地道に行っています。ちなみにインクジェット出力用のプリンタはいわゆる廃水や廃煙がほとんど発生しないため、周辺環境への影響は最小限に留めることが可能です。
当社のプリンタ・インクはどうか
この項目では弊社の機材やインクの環境対応状況についてまとめます。
主力機は水性系Latex
ターポリンや塩ビシートの出力にメインで使用している機材はHP Inc.のLatexプリンタシリーズ(全5機)です。
最大で65%が水で出来ているためインク自体の匂いが全くなく、VOC放出量が極めて低い水性系のインクです。後述のGREENGUARD GOLD認証ももちろん取得できています。そのためLatexプリンタで出力した壁紙・バナー類は病院や教育施設などのデリケートな環境でも安心してご使用いただけますし(※1)、当社のプリンタオペレータの健康も守ることができます。
さらに第4世代Latexインクは欧州・米国・カナダにおける玩具に関する指令に適合しており、これは有害な着色料や重金属、アミンを含まないことを示しています。(※2)
関連記事 当社blog:ラテックス・溶剤・UVインクの違いって?[第1回:ラテックス編]
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またHP Inc.のインクパッケージは外箱はダンボールで出来ており古紙リサイクルが可能です。さらに我々ボリュームユーザーは大容量インクパックを使用することでプラスチック使用量の削減にも貢献しています。
※2…ただしHPは3歳以下の子どもを対象にした玩具にインクを使用することは推奨していません
溶剤機はエコソルベント機のみ
長年出力業界の中心であった溶剤機(ソルベントプリンタ)は、5年以上前にすべて匂いの少ないエコソルベントインク搭載の機材に置き換えを完了しました。
機材・インク一覧
当社が運用中の機材と対応するインクの一覧です。ご覧のとおりすべてGREENGUARD GOLDを取得しており、環境やユーザーに優しいプリンタとなっています。
種類 | メーカー | 機種 | インク名 | GREENGUARD |
Latex | HP Inc. | Latex 3200 | HP 881 | GOLD |
Latex | HP Inc. | Latex 1500 (2台) | HP 881 | GOLD |
Latex | HP Inc. | Latex 570 | HP 871 | GOLD |
Latex | HP Inc. | R1000 plus | HP 872 | GOLD |
UV | AGFA | ANAPURNA M2500i |
AGFA UV ink G4 |
GOLD |
UV | MIMAKI | UJV55-320 | LUS-120 | GOLD |
溶剤 | MIMAKI | JV34-260 | SS21 | GOLD |
溶剤 | EPSON | SC-S80650 | UltraChrome GS3 |
GOLD |
当社の機材構成(2021年11月現在)
※ 諸元は機種およびインク名のリンク先、各メーカーページ参照
※ 機材構成や認証は記事公開時点のもので、予告なく変更されることがあります
GREENGUARD(低VOC認証)
屋内環境における化学物質放散のレベルについて、GREENGUARD認証を得たインクか(またそのインクでプリントした製品か)というのが業界におけるひとつの基準となっています。認証は通常の「GREENGUARD認証」と、より厳しい化学物質やVOC放出レベルの検査をクリアした製品にだけ表記が認められる「GREENGUARD Gold認証」の2段階で構成されています。
室内に設置する製品は、室内の空気環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。GREENGUARD認証は世界で最も厳しい化学物質放散の規格に基づいており、登録製品は第三者認証機関によりその基準に適合していることが証明されます。GREENGUARD認証は、室内空気汚染や化学物質への曝露を抑え、健康的な室内空気環境を実現することを目的としています。
[UL Japanサイトより引用]
このように当社では環境面に配慮したプリンタや機材を積極的に運用しています。ものの製造~廃棄までのトータルコストを考えるようになった現代だからこそ、プリンタや工場にもこだわりたいというお客様にも安心してお任せいただける体制づくりを続けて参ります。